No.119タイでの医療機器該当性確認
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タイでの医療機器該当性(家具/クラスA相当ボーダーライン品)についてのご回答
結論(先に要点)
| ご質問 | 結論 |
|---|---|
| ①「医療目的に使われることを意図していません」とラベルに明記すれば雑品として扱えるか | いいえ、それだけでは非該当を担保できません。医療機器該当性は、表示の一文ではなく、製品の設計・機能・作用原理・人体への接触・使用者・販売先・広告表現などの整合性から評価されるのが国際的に一般的な考え方です。否定文言は「リスクを下げる一要素」にとどまり、非該当を保証するものではありません(また、タイ法上、否定文言の記載が必須要件であると確認できているわけでもありません) |
| ② 構成品・材料の記載粒度 | ご引用のタイ語の一文だけでは、要求粒度は確定できません。少なくとも「当局が該当性・分類・リスクを判断できる範囲」(作用原理、主要構成、人体接触部位とその材料、電気/機械/ソフトウェア機能、付属品)は必要です。部品番号・数量・サプライヤ名・単価まで必要か否かは、現行の申請様式またはタイFDAへの事前確認が必要であり、「不要」と当社が断定することはできません。ただし、社内BOM(部品表)をそのまま提出せず、申請目的に絞った専用の技術説明書を作成することは、実務上の有力な選択肢です |
補足として、ボーダーライン品が多数ある場合の「グルーピング+代表品照会」は、タイFDAが制度として認めた仕組みではなく、あくまで社内リスク管理上の優先順位付けの手法としてご提案するものです(第4章)。
0. 本回答の前提と限界(先にお読みください)
0-1. 本回答で「確認できていること/できていないこと」
タイの医療機器規制は、法律(Medical Device Act)の下に保健省告示(ประกาศกระทรวงสาธารณสุข)やタイFDAの手続文書が多数あり、分類ルール・提出書類要件・手続名称が改正されます。当社では、本回答作成時点でタイFDAの原文告示・現行申請様式を逐一検証できておりません。
そこで本回答では、記述の性質を次の3種類に区別して示します。
- 【一般論】…日本・米国・EU・ASEANに共通する「意図された使用目的」に基づく考え方。タイFDAが同じ要素を同じ重みで適用することを示すものではありません
- 【実務提案】…当社のコンサルティング経験に基づく提案。規制要件そのものではありません
- 【要確認】…タイFDA/現地専門家に確認が必要な事項
0-2. 該当性判断に最低限必要な情報
「家具か医療機器か」は、製品カテゴリー名では決まりません。また、ご質問中の「クラスA相当」も、そもそも医療機器に該当するかが決まらなければ確定しません。個別判断には、少なくとも次の情報が必要です。
- 製品名称・型式、写真・図面
- 意図する使用目的(intended use)の文言
- 使用者(一般消費者/医療従事者/介護者)、使用場所(家庭/病院/介護施設)
- 作用原理(機械的支持のみか、電気的・化学的・生物学的作用があるか)
- 人体接触の有無・部位・接触時間(皮膚/粘膜/体内)
- 電源・モーター・センサー・無線機能・ソフトウェアの有無
- 付属品(同梱品・別売品)の構成
- ラベル案、取扱説明書、カタログ、Web/EC表示、想定販売先
- 日本・EU・ASEAN他国での規制上の位置づけ(先例)
0-3. 参照するタイFDAのページ
ご質問に記載いただいたタイFDAのページは次のとおりです。該当性の照会に必要な書類は、このページの公表文書でご確認ください。
※ 申請様式・提出書類は改訂されることがあります。照会・申請の前に、最新版をご確認ください。
1. タイの医療機器規制の枠組み(確認できる範囲での整理)
| 項目 | 内容 | 確度 |
|---|---|---|
| 主管当局 | 公衆衛生省(MOPH)傘下のタイ食品医薬品局(Thai FDA)。医療機器は医療機器管理課が所管 | 一般に公表されている情報 |
| 根拠法 | Medical Device Act B.E. 2551 (2008)、および改正法 Medical Device Act (No. 2) B.E. 2562 (2019) | 法律名は確認可。ただし、医療機器の定義、輸入者の義務、登録・届出・許可、広告、罰則、提出資料の秘密保持については、本回答では条項番号を確認できていないため条文特定を避けます【要確認】 |
| クラス分類 | 2019年の改正法以降、リスクに応じた4区分の分類制度が導入されています。ASEAN医療機器指令(AMDD)ではクラスA〜Dと表記されますが、タイの告示・申請制度上の正式表記(Class 1〜4 と A〜D のいずれか/対応関係)は原文で確認が必要です | 【要確認】 |
| 市販前手続 | リスク区分に応じて、軽い届出(listing)から詳細届出、許可(licence)までの複数階層で運用されていると理解しています。分類と手続区分の対応は告示で定まるため、対象製品の申請経路ごとに確認が必要です | 【要確認】 |
| 業許可 | タイ国内で輸入・販売する事業者側に事業許可が必要で、海外製造業者は現地の輸入者等を通じて手続を行うのが一般的と理解しています。なお、「事業許可」「製品登録(届出・許可)」「輸入許可」は別の概念であり、それぞれの名義人・申請者要件は手続区分ごとに確認が必要です | 【要確認】 |
| QMS関連書類 | ISO 13485認証やGMP証明書等の提出を求められる場合がありますが、要否・種類は製品分類、申請区分、製造所、現行申請要件に依存します。「常にどちらかで代替できる」とは限りません | 【要確認】 |
※ 参考として、ISO 13485 そのものの規格情報は ISO 13485:2016(ISO公式ページ) でご確認いただけます。これは規格の情報ページであり、タイFDAが当該証明書を要求する根拠文書ではありません。
2. 質問①:否定表示だけでは「雑品」を担保できません
2-1.【一般論】医療機器該当性は「意図された使用目的」を軸に、客観的事実と併せて評価される
医療機器の定義は、日本・EU・米国・ASEANのいずれにおいても「製造業者が意図する使用目的(intended use / intended purpose)」を軸に構成されています。日本の薬機法でも、疾病の診断・治療・予防に使用されること等が目的とされている機械器具等を医療機器と定義しています(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第4項。e-Gov法令検索:同法)。
ここで重要なのは、次の4つが別の事柄だという点です。
- 製造業者が医療目的を意図していないこと
- 実際に医療現場で使用されないこと
- 医療目的での使用を禁止する表示をすること
- 製品が客観的に医療目的の機能を持たないこと
ラベルの否定文言は主に3に関わるものですが、製品が客観的に医療目的の機能・設計を備えていれば(4が満たされなければ)、否定文言があっても医療機器と評価される可能性があります。逆に、医療目的の機能がなく、訴求も一貫して非医療であれば、否定文言がなくても非該当と評価され得ます。
【一般論】として、当局・審査官が「意図された使用目的」を読み取る際に一般的に参照される材料は次のとおりです。タイFDAがこれらを同一の基準・順序で適用することを保証するものではありません。
| 判断材料 | 医療機器と評価されやすくなる要素の例 |
|---|---|
| 製品名・型式名・シリーズ名 | 「メディカル」「ケア」「リハビリ」「治療」「矯正」等の語 |
| ラベル・取扱説明書 | 症状名、疾病名、身体機能への作用、効能効果に相当する記載 |
| カタログ・Web・SNS・EC・展示会資料 | 「褥瘡予防」「血行促進」「疼痛緩和」「姿勢矯正で腰痛対策」等の訴求 |
| 販売チャネル | 病院・クリニック・介護施設向け専用販路、医療機器商社経由の販売 |
| 設計・仕様 | 医療機器規格(IEC 60601シリーズ等)適合を自らうたう、生体適合性試験データを訴求材料として提示する |
| 構成・付属品 | 医療機器と一体で使うことを前提とした専用アクセサリの同梱 |
| 想定使用者 | 「医療従事者が患者に対して使用する」旨の記載 |
| 償還・入札 | 医療機関入札、公的償還コードへの申請 |
したがって、パッケージに「Not intended for medical use」と記載していても、現地Webサイトや代理店の販促物で「腰痛の方に」と訴求していれば、後者が重く評価される可能性があります。
2-2.【実務提案】非医療機器として整合させるためのチェックリスト
否定文言を用いるのであれば、次の点を「すべての媒体で」一貫させることが重要です。
- ラベル・取扱説明書・カタログ・Web・価格表・広告・営業資料・代理店向け販促資料の表現を統一する
- 疾病の診断・治療・予防、症状の改善、リハビリテーションを示す表現は特に慎重に扱う。一方で、家具としての通常の機能説明(例:座面高を調整できる、背もたれで姿勢を保持できる)まで一律に排除する必要はありません。問題になりやすいのは、単語そのものより「医療目的を示す文脈」です
- 例:「腰をサポートする形状です」(機能説明)は通常許容余地がありますが、「腰痛の予防に」「腰痛が改善します」と組み合わせると医療目的の訴求と評価され得ます
- 製品名・シリーズ名から医療を示唆する語を外す
- 医療機関・介護施設専用モデルとしての設計・訴求を避ける(避けられない場合は、医療機器としての登録を前提に検討する)
- 代理店契約に「当社の書面承認なく効能効果を示す表現を用いない」条項と、是正・販売停止・契約解除条項を入れる
- 代理店が作成するタイ語のラベル・IFU・Webページ・EC商品説明・SNS投稿・レビューへの販売者コメントを事前承認制にし、承認記録と変更履歴を保管する(実務上、最も事故が起きやすい箇所です)
- 製品ごとに該当性判定記録(非該当判定の根拠記録)を作成・保管する(第4章ステップ2)
2-3.【要確認】雑品でも適用され得る周辺規制
「医療機器ではない」となっても無規制ではありません。ただし、以下はいずれも「該当し得る領域」の提示であり、対象品目は告示レベルで定まるため、必ず品目単位で現地確認が必要です。当社としてタイの最新の指定品目リストを検証できているわけではありません。
まず、次の事実確認を行うと、確認すべき規制を絞り込めます。
- 電気を使うか(モーター、ヒーター、電源アダプタ等)
- 無線機能があるか(Bluetooth、Wi-Fi等)
- 塗料・接着剤・難燃剤・可塑剤など、規制対象化学物質を含み得るか
- 一般消費者向けに小売されるか、業務用か
| 規制領域 | 確認すべき点 |
|---|---|
| 消費者保護法(Consumer Protection Act B.E. 2522)に基づくラベル規制 | 「ラベル規制対象商品」として告示指定された品目に該当するか。該当する場合、タイ語表示(品名、輸入者名・住所、原産国、サイズ・材質、使用上の注意等)が求められると理解しています。家具・家庭用品の一部が指定されている可能性がありますが、対象品目の特定は現行告示の確認が必要です |
| タイ工業規格(TIS/มอก.、所管:TISI) | 強制規格の指定品目に該当するか。電気製品や一部家庭用品が対象となり得ます。該当する場合は輸入前の認証が必要と理解しています |
| 電気通信/電波(NBTC) | 無線機能があれば型式認証・輸入許可の対象となり得ます |
| 有害物質関連(Hazardous Substances Act B.E. 2535) | 指定物質を含む場合の届出・許可の要否 |
| 関税・HSコード | 通関時のHS分類。医療機器用HSコードの使用は、薬事該当性とは法的に別問題ですが、実務上、当局の関心を招く契機になり得ます |
| 広告に関する規制 | 医療的効能を示す表示・広告は、(i)製品が医療機器と評価される要因となり得るほか、(ii)該当する場合には医療機器の登録・広告要件が問題となり、(iii)非該当でも消費者保護法上の誇大広告の問題となり得ます。具体的な違反類型と要件は現行法令の確認が必要です |
2-4. 誤判定した場合に想定されるリスク
判断の重み付けのために、想定される帰結を整理します(具体的な法的制裁の内容・条項は【要確認】です)。
- 通関保留・積戻し等の直接コスト
- 未登録・無許可の輸入販売等として、行政措置または刑事罰を含む法的リスク(Medical Device Act の該当条項・法定刑は本回答では確認できていないため特定を避けます)
- 現地輸入者(代理店)の事業許可への影響 → 代理店との関係悪化、以後の申請への影響
- 回収、是正対応、以後の審査の厳格化
- 御社社内の輸出審査・品質保証手続(QMS上の外部委託・海外規制要求の確認プロセス等)における不適合となる可能性
特に「現地代理店の許可に影響が及ぶ」リスクは、代理店との交渉上、御社にとっても重大です。この点は「代理店にBOMを渡したくない」という要請と天秤にかける論点になります。
3. 質問②:構成品・材料情報の粒度
3-1. 引用文の訳と、そこから読み取れること/読み取れないこと
ご引用の一文(กรณีผลิตภัณฑ์เป็นเครื่อง ต้องระบุส่วนประกอบ (Components) และวัสดุที่ใช้ รวมถึงอุปกรณ์เสริม (Accessories) ให้ครบถ้วน)の逐語訳は、概ね次のとおりです。
製品が機器である場合、構成部品(Components)および使用材料、ならびに付属品(Accessories)を漏れなく記載すること。
この一文から読み取れるのは「記載に漏れがあってはならない」という趣旨であり、次の点は読み取れません。
- どの申請様式のどの欄に関する指示か(該当性照会用か、製品登録用か)
- 材料は一般名でよいのか、グレード・規格まで必要か
- 部品番号・数量・寸法の記載が必要か
- 製造工程やサプライヤ情報まで必要か
- 別紙添付が認められるか
したがって「トップレベルの構成だけで足りる」と当社が断定することはできません。
3-2. 求められている情報の目的(粒度を逆算する視点)
この種の情報が求められる目的は、審査官が次の判断を行うためと考えられます。
- 製品がどのような原理・機構で作用するのか(機械的作用のみか、電気的・化学的・薬理学的作用があるのか)
- 人体(皮膚・粘膜・体内)に接触するか、接触部の材料は何か、接触時間はどの程度か
- 付属品を含めた製品全体として、医療目的の機能が構成されていないか
- 医療機器に該当する場合、分類ルールのどれが適用されるか
つまり中心的な関心は原価構造ではなく、「作用機序・接触・機能の把握」です。この視点は、後述の情報開示範囲の設計と、当局から追加質問を受けた際の説明の軸になります。
3-3.【実務提案】申請専用の技術説明書を作成する
社内BOMをそのまま提出するのではなく、申請目的に合わせた「Product Description / Components, Materials and Accessories」文書を新規に作成することをご提案します。
| 記載項目 | 記載の考え方 |
|---|---|
| 製品概要・使用目的 | 用途、使用者、使用環境、作用原理(例:機械的な支持のみで、電気的・化学的・生物学的作用はない) |
| 構成(Components) | 機能単位・サブアセンブリ単位で、機能を漏れなく網羅する(例:フレーム、座面、背もたれ、アームレスト、キャスター、昇降機構、電源アダプタ)。当局の判断に必要な範囲で、下位部品まで記載する |
| 材料(Materials) | 材料の一般名(例:スチール(粉体塗装)、ABS、ポリウレタンフォーム、ポリエステル布地)。人体接触部やリスクに関わる部位は、必要に応じてグレード・表面処理・添加剤まで記載 |
| 人体接触部材 | 接触部位・接触時間・材料を明示(ここは最も詳しく書くべき箇所) |
| 付属品(Accessories) | 同梱品・別売品のリストと各用途 |
| 電気的仕様 | 電源、電圧、消費電力、適合を主張する安全規格 |
| 使用目的に関する宣明 | 意図する使用目的と、医療目的を意図しない旨 |
情報項目ごとの扱いについては、一律に「不要」とは言えません。次のように整理してご検討ください。
| 情報 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 単価・原価 | 該当性・分類の判断に通常必要とは考えにくい。ただし要件は【要確認】 |
| サプライヤ名 | 通常は不要となる可能性があるが、製造所情報や材料証明との関係で求められる場合があり得る |
| 部品番号・数量 | 構成を特定するために必要となる場合があるため、一律に除外できない。社内図番そのものではなく、説明用の識別番号を付す方法も検討できる |
| 材料の詳細(グレード・添加剤・接着剤・コーティング) | 人体接触、電気安全、化学的作用に関わる場合は、一般名だけでは不足する可能性がある |
| 製造工程・製造条件 | 該当性照会の段階では通常求められないと考えられるが、【要確認】 |
重要な考え方として、「当局が判断できない抽象度まで情報を削ること」と「社内BOMをそのまま出さないこと」は別問題です。前者は追加照会・審査遅延・却下の原因になります。
3-4.【実務提案】情報保護のための具体策
現地代理店経由での提出という制約下で取り得る手段を、優先度順に挙げます。
- 申請専用文書を作る(最重要) 社内BOMは渡さず、3-3の文書のみを「正式な提出資料」として一貫して扱う。
- 情報開示区分表を作る 「代理店に開示する情報」「当局提出が必要な情報」「いずれにも開示しない情報」を製品ごとに表で定義し、社内で承認する。
- 秘密保持契約(NDA)と目的外使用禁止 薬事申請目的への利用限定、第三者開示禁止、申請終了後の返還・破棄、違反時の措置を販売契約に追記する。
- アクセス範囲の限定(need-to-know) 代理店内でアクセスできる担当者を限定するよう契約で求め、受領・保管記録を残す。
- 文書へのマーキング 各ページに「Confidential – Submitted to Thai FDA for regulatory purposes only」等を明記する。ただし、タイの情報公開制度・営業秘密保護の下で実際にどこまで保護されるかは、現地弁護士にご確認ください【要確認】。
- 提出ルートの確認 機密性の高い技術資料について、製造業者から当局への直接提出、秘密別紙、電子申請上のアクセス制限等が認められるかを、代理店経由でタイFDAに確認する。日本のマスターファイル制度に相当する仕組みがタイに整備されているかは、当社では確認できておりません【要確認】。可能でない場合、NDAだけでは提出過程を完全には管理できない点を前提に設計してください。
- 中長期の構造的検討 登録名義と販売代理店の分離(現地法人の設立、または現地代理人/輸入者を販売代理店と分ける)は、選択肢として検討価値があります。ただし、タイ制度における現地代理人・輸入者・許可名義人の区分と資格要件、外資規制の影響は制度確認が前提です【要確認】。
4.【実務提案】ボーダーライン品が多数ある場合の現実的なアプローチ
「全件照会は困難、しかし全件自己判断はリスク」というジレンマに対する、社内リスク管理としての段階的スキームです。これはタイFDAが認めた制度ではありません。
ステップ1:製品を該当性リスクで層別する
| 層 | 特徴 | 対応 |
|---|---|---|
| 高リスク層 | 医療機関・介護施設向け訴求がある/身体機能への作用を含む/競合が医療機器として登録している/患者の支持・移送・治療・診断補助に用いる電動機構がある | タイFDAへ照会、または現地専門家による事前評価を取得 |
| 中リスク層 | 一般消費者向けだが、用途によって医療的使用が想定される | 代表品を選んで照会し、他製品は差異分析の上で社内判定 |
| 低リスク層 | 純粋な家具・什器で、医療的訴求・医療的機能がない | 社内で非該当判定記録を作成・保管 |
グルーピングを行う場合、次の点を必ず記録・明記してください。
- 代表品に対するタイFDAの回答は、他の製品に対する当局判断ではありません
- 同一グループとする根拠(同一の作用原理、同一の人体接触材料、同一の訴求文言、同等の機能)を文書化する
- 使用目的、構成、材料、付属品、表示、電気・ソフトウェア機能に差異があれば、別判定が必要
- 当局または代理店が個別申請・個別照会を求める可能性がある
ステップ2:社内に「該当性判定手順(SOP)」を整備する
- 判定フローチャート(タイの医療機器定義・分類ルールに沿った質問形式。定義文は原文で確認)
- 判定者・承認者(薬事責任者の承認を必須とする)
- 判定の根拠記録(ラベル案、カタログ案、構成・材料表、人体接触の評価、競合品の登録状況調査)
- 再判定のトリガー(訴求文言の変更、設計変更、販路変更、法令・告示の改正)
- 保管期間、変更履歴
この記録は、万一指摘を受けた際に「合理的な根拠に基づく判断であった」ことを説明する資料になります。
ステップ3:先例調査を行う
- タイFDAの登録製品データベースで、類似製品が医療機器として登録されているかを確認する
- ASEAN他国(シンガポールHSA、マレーシアMDA等)や日本・EUでの同種製品の取扱いを調べる(AMDDはASEAN共通の枠組みであるため、近隣国の判断は参考材料になります。ただし各国の運用は同一ではありません)
- 日本国内の該当性の考え方(都道府県薬務主管課への疑義照会結果、厚生労働省の関連通知)も、論理構成の参考になります
ステップ4:照会が難しい場合の位置づけ
現地の薬事コンサルタントまたは法律事務所から意見書を取得する方法があります。ただしこれは当局照会の代替ではなく、「当局照会を行わない場合の社内リスク評価資料」と位置づけてください。
- 意見書はタイFDAの拘束的判断ではありません
- 意見書があれば通関・販売が保証されるわけではありません
- 意見書の前提(仕様、表示、販売形態)が変われば結論も変わり得ます
ステップ5:具体例のイメージ(最終判断は個別仕様と表示によります)
| 状況 | 一般的な見方(あくまで考え方の整理) |
|---|---|
| 一般的な椅子として、快適性や姿勢保持を説明して小売する | 医療機器と評価されにくい方向 |
| 電動昇降機能があるだけで、訴求は家具としての利便性 | 電気安全・TIS等の周辺規制は要確認。医療機器該当性は訴求と機能次第 |
| 褥瘡予防、リハビリ、疼痛緩和を目的として設計・販売する | 医療機器と評価されやすい方向 |
| 電動機構が患者の移送・体位変換・治療/診断補助に用いられる | 医療機器と評価されやすい方向 |
| 一般家具と同仕様だが、販売先が医療機関のみ | 販売チャネルのみで直ちに決まるものではないが、訴求・付属品・仕様と併せて慎重に評価すべき |
5. 優先順位付きアクションプラン
- 製品ごとに、仕様・機能・人体接触・電気/無線機能・付属品・表示・販路を1枚に整理する(0-2の項目)
- 表示・広告に医療目的を示す表現がないか、全媒体(日本語・タイ語・EC・SNS)を棚卸しする
- 医療目的の機能そのもの(患者への作用、治療・診断補助、患者支持・移送)の有無を技術的に評価する
- 高リスク品を抽出し、タイFDA照会または現地専門家の事前評価を行う
- 中リスク層は代表品を照会し、他製品は差異分析と判定記録で管理する
- 低リスク品も非該当判定記録を作成・保管する(SOP化)
- 代理店契約に、販促物の事前承認条項・NDA・是正条項を追加する
- 申請用の技術説明書(構成・材料・付属品)を作成し、社内BOMとは切り離して運用する。提出粒度は現行様式または当局への事前確認で詰める
- 医療機器に該当する場合は、分類・申請区分・輸入者要件・QMS書類要件を改めて確認する
- 雑品側の周辺規制(ラベル規制、強制TIS、NBTC、有害物質)を品目単位で確認する
- 中長期的に、登録名義と販売代理店の分離可否を制度確認のうえ検討する
注記・免責
※ 本回答は、一般に公開されている制度情報と、国際的なボーダーライン判断の考え方に基づく整理であり、タイFDAの公式見解ではありません。個別製品の最終判断は、タイFDAへの照会または現地薬事専門家の確認によって行ってください。
※ タイの医療機器規制は下位告示の改正が頻繁であり、分類の正式表記、手続区分、提出書類要件は変更され得ます。本回答中の【要確認】と記した事項は、当社が原文で検証できていない事項です。
※ Medical Device Act B.E. 2551 (2008) およびその改正法の条項番号・法定刑については、本回答では確認が取れていないため、条文の特定を避けています。
※ ISO 13485 のリンクは規格そのものの情報ページであり、タイFDAが当該証明書を要求する根拠文書ではありません。




