No.123グローバルに販売している医療機器の回収について
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グローバル販売製品のFSCA(市場安全是正措置)を、部品供給が追いつかない状況でどう進めるか
株式会社イーコンプライアンス
結論(まず4ステップで)
- 新規出荷を止め、影響範囲(対象シリアル・設置先)を確定する。 これは部品の有無に関係なく即日実施できます。
- 各国の報告要否と期限を同時に判定する。 報告期限は「部品が調達できない」ことを理由に延長されません。
- 使用者には暫定的なリスク低減措置を早く伝える。 恒久対策(部品交換)の準備が整うのを待ってFSNを出すのは、高リスク案件では原則避けてください。
- 部品が限られる場合は、リスクの高い機器から、各国当局と合意した計画に従って是正する。 順番が付くこと自体は問題視されにくく、問題視されるのは「根拠が示せない順番」と「使用者に知らせなかったこと」です。
つまり、情報提供(FSN)と物理的な是正(部品交換)は、工程としては分けて管理し、内容としては一体で整合させるのが基本形です。「順次対応になる」ことを隠すのではなく、計画として当局とユーザーに開示します。
0. 用語の整理(初めての方向け)
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| FSCA(Field Safety Corrective Action/市場安全是正措置) | 市場に出した機器の安全上のリスクを下げるために製造業者が行う措置の総称。回収・改造・部品交換・ソフト更新・使用上の助言提供などを含む |
| FSN(Field Safety Notice/安全性情報通知) | FSCAの内容を使用者・顧客・代理店に知らせる通知文書 |
| 回収(Recall) | FSCAの実施方法の一つ。日本の薬機法では「回収」に改修・現品交換等も含めて扱われます |
| 重大インシデント報告/不具合報告 | 実際に発生した(または発生し得る)重大な事象についての当局報告。FSCAの報告とは別の義務 |
| CAPA(Corrective and Preventive Action) | 原因究明と再発防止の仕組み |
| HHE(Health Hazard Evaluation) | 健康被害のおそれを医学的に評価する作業 |
※ FSCA=回収ではありません。回収はFSCAの一手段にすぎず、「使用上の注意の追加のみ」でもFSCAになり得ます(根拠:Regulation (EU) 2017/745 第2条(68)(69)、およびGHTF/SG2/N57R8「Guidance on the exchange of vigilance information」のFSCA/FSN定義)。
1. FSCAは「3つの層」でできている
| 層 | 内容 | 部品供給の制約を受けるか |
|---|---|---|
| ① 封じ込め(Containment) | 新規出荷の停止・保留、流通在庫/倉庫在庫の出荷留保、デモ機・貸出機の引き揚げ | 受けない(即日実施可能) |
| ② 通知(Communication) | 当局への報告、FSNの発行、代理店・医療機関への連絡、公表 | 受けない(数日〜数週で実施可能) |
| ③ 是正(Correction) | 部品交換、改造、現品交換、ソフト更新 | 受ける(部品供給・各国の変更手続に依存) |
ご質問のお悩みは③にありますが、規制上もっとも危険な失敗は、③の進捗に引きずられて①②を遅らせることです。
ただし、「①②は常に即日・全世界同時にできる」と単純化するのも正確ではありません。出荷停止は社内措置なので即断できますが、当局報告・FSN配布は、国によって提出様式・言語・法定報告主体(現地代理人等)・当局の事前確認の要否が異なります。したがって現実的な目標は「発行時刻を一致させること」ではなく、「市場間に不合理な遅延を作らず、遅延が生じた場合はその理由と計画を記録すること」です。
2. 「法的義務」「当局との協議事項」「社内ベストプラクティス」を分けて考える
この区別をしないと、社内で「どこまでが必須か」が共有されません。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 法的義務 | 各国の不具合/重大インシデント報告、FSCA・回収の届出/報告、記録の保管、報告対象でない市場措置の記録(例:21 CFR 806.20) |
| 当局との協議・合意事項 | 回収クラス分類、回収戦略(Recall Strategy)、段階的実施計画のスケジュール、FSN文案、有効性確認の方法 |
| 社内ベストプラクティス(法的義務ではない) | 全世界ほぼ同時のFSN発行、月次・四半期の自発的進捗報告、年1回の模擬回収訓練、優先順位スコアリングの運用 |
3. 主要市場の報告義務(概要・例示)
以下は「どの法令を見るべきか」の地図です。網羅ではなく主要市場の例示であり、期限・様式・提出先は改正されます。必ず最新の原文と現地RA・代理店で確認してください。
| 国・地域 | 根拠法令・手続 | タイミングの考え方 |
|---|---|---|
| 日本 | 医薬品医療機器等法 第68条の9(危害の防止)、第68条の11(回収の報告)、同法施行規則の回収報告規定、医療機器GVP省令(平成26年厚生労働省令第135号)、回収に関する厚生労働省通知 | 回収着手の決定後速やかに回収着手報告(クラスI/II/III分類)、終了時に回収終了報告。実務上は都道府県薬務主管課および厚生労働省(監視指導・麻薬対策課)への事前相談が通例。回収情報はPMDAサイトで公表 |
| 米国 | 21 CFR Part 806(Reports of Corrections and Removals)/21 CFR Part 7(Enforcement Policy=Recalls)/21 CFR Part 803(Medical Device Reporting) | 3つを別個に判定します。①806:報告対象の修正・撤去は着手後10営業日以内(§806.10)、報告対象外でも記録保持(§806.20)。②Part 7:FDAとの回収分類(Class I/II/III)・回収戦略・状況報告。③Part 803:不具合報告は30日(一定の場合5日) |
| EU | Regulation (EU) 2017/745(MDR) 第87条(重大インシデント・FSCAの報告)、第88条(トレンド報告)、第89条(解析・FSN)、MDCG 2023-3(最新改訂版を参照) | 重大インシデントは認識後遅滞なく、遅くとも15日(第87条(3))。重大な公衆衛生上の脅威は2日(同(4))、死亡または予期しない重大な健康状態の悪化は10日(同(5))。FSCAは第87条(1)(b)に基づき報告し、実務上はFSNの配布前または同時に所轄当局へ報告(緊急時は例外あり)。FSNの提供は第89条(8) |
| 豪州 | Therapeutic Goods Act 1989、TGA「Uniform Recall Procedure for Therapeutic Goods(URPTG)」 | 市場措置はTGAと事前協議・合意してから実施する運用 |
| カナダ | Medical Devices Regulations(SOR/98-282)の問題報告・リコール関連条項 | 回収開始時(または直前)にHealth Canadaへ所定情報を提出、完了報告あり |
| 中国 | 医療器械監督管理条例(国務院令第739号)、医療器械召回管理办法 | リコール等級(一級〜三級)別に通知・召回計画提出の期限が定められています(一般に一級が最短)。具体日数は最新条文で確認が必要です |
| 韓国 | 의료기기법(医療機器法)の回収・廃棄関連規定、MFDSへの報告 | 回収計画の報告・公表義務あり |
| 台湾 | 醫療器材管理法の回収関連規定 | 回収計画の届出、等級別の回収期限 |
| シンガポール | Health Products Act/Health Products (Medical Devices) Regulations、HSAのFSCA報告要件 | FSCA実施に関する所定期限内の報告 |
| タイ | Medical Device Act B.E. 2551(改正 B.E. 2562)に基づくThai FDAへの報告 | リコール届出・報告 |
| ベトナム | Decree 98/2021/ND-CP 等に基づくMOH/DAVへの報告 | リコール・是正措置報告 |
| インドネシア/フィリピン/ブラジル/メキシコ | BPOM・保健省/Philippine FDAのFDA Circular/ANVISAのtecnovigilância関連規則/COFEPRIS・NOM-240-SSA1 | いずれも現地の責任主体を経由した届出・報告。実施前届出や公表義務がある国もあります |
※ 具体日数を書いていない市場は、当社として最新条文の確認が済んでいないため断定を避けています。実務では後述の国別マトリクスで管理してください。
※ 法定の報告主体は国によって異なり、製造業者(legal manufacturer)、現地法人、輸入者、販売業者、登録保有者(MAH/license holder)、認可代理人(Authorised Representative/Agent)のいずれかが担います。「代理店が必ず法定報告主体」とは限りません。国別に「誰が、どの当局に、いつまでに報告するのか」を特定しておく必要があります。
※ 当局間では、IMDRF NCAR(National Competent Authority Report)の枠組みやEUDAMED、各国の公表データベース等を通じて情報が共有され得ます。ただし、すべての案件が即時・全当局に共有されるわけではありません。重要なのは「他国に知られるかどうか」ではなく、グローバルな影響評価と各国通知の要否を同時に検討することです。
4. 推奨する実務フロー(ご提示の仮定に即して)
フェーズ0:認識から72時間(部品の有無に関わらず実施)
- FSCA該当性の一次判断:単なる品質改善・保守・サービス対応ではなく、死亡または健康状態の重大な悪化のリスクを防止・低減する措置に当たるかを判断します。該当すればFSCA(=届出・通知の対象)になり得ます。
- スコープ特定:影響ロット・シリアル、国別出荷数、設置場所、稼働状況をUDI/トレーサビリティ記録から特定。
- 新規出荷の即時保留(Global Shipping Hold):最優先かつ最も安価な措置です。
- FSCA判定会議(Global Recall Committee):RA・QA・開発・製造・サービス・法務・広報・各地域RAで決定し、議事録と判断根拠を残す。
- 報告義務の判定:国別マトリクスに基づき各国の期限をカウントダウン管理。起算日が「認識日」「決定日」「措置開始日」のいずれかは国によって違うため、起算点の定義を明記しておきます。
※ ISO 14971はリスクマネジメントの枠組みを定める規格であり、各国の回収報告期限やFSCA手続そのものを定める規制ではありません。この区別は査察でも問われます。
フェーズ1:3日〜2週間
- 当局への報告・事前相談を並行開始
- 日本:都道府県薬務主管課/厚生労働省への相談 → 回収着手報告(クラス分類)→ PMDAでの公表。
- 米国:Part 806の報告要否判定と提出、FDA地区のRecall Coordinatorへの連絡、Part 7に基づく分類とRecall Strategyの協議、Part 803の要否判定。
- EU:所轄当局へFSCA報告。該当する場合はNotified Bodyにも通知し、認証範囲・技術文書・変更に関する認証機関の手順に従います(全FSCAについて一律にNB事前通知が法令上必要というわけではありません。品質契約とNB手順を確認してください)。
- 豪州:URPTGに沿ってTGAと事前協議。
- その他:各国の法定責任主体(現地法人・輸入者・登録保有者等)を通じて同時進行。
- FSN(多言語)の発行。ここがご質問の核です。FSNには次を記載します。
- 対象製品の特定情報(型式・シリアル範囲・識別方法)
- 不具合の内容、ハザード、想定される危害
- 使用者が今すぐ取るべき暫定措置(使用中止/条件付き使用/点検頻度の追加/設定変更/代替手順/バックアップ機の準備など)
- 既に使用された患者へのフォローアップの必要性(該当する場合:過去の検査結果の再評価、追跡観察など)
- 恒久対策の内容と、部品供給の制約により順次実施する旨、優先順位の考え方、次回情報更新の時期
- 連絡先、受領確認(Acknowledgement)の返送要領、期限
※ 実施時期については、確定しているものは期限として明記し、未確定のものは「見込み」と明示してください。「6か月後に全数対応」とFSNで約束して守れないと、新たな不履行と信頼低下を招きます。
ポイント:当局が最も問題視するのは「順番が付いたこと」ではなく、リスクを知りながら使用者に伝えなかったことと計画がなく場当たり的であることです。
フェーズ2:恒久対策の段階的実施(数か月〜)
- 優先順位の決定基準を文書化(監査可能性の確保)
- 基準・使用データ・決定者・承認日・再評価条件・例外処理をすべて記録します。
- 考慮要素の例:ハザードが現実化しやすい使用条件(生命維持用途、高頻度稼働、小児・在宅使用)/暫定措置の実効性が低い市場(点検体制・サービス網が弱い)/代替機・代替治療の入手可能性/すでに有害事象が報告された施設/当局の法的拘束力ある指示・期限/設計変更の規制手続が完了した順/物流上の実行可能性。
- 「原産国だから」「売上が大きいから」を単独の基準にしないこと。一方、法定期限、当局命令、現地の医療提供体制、物流の実行可能性を考慮することは合理的な説明になり得ます。
- 「国単位で順番」か「国横断で個体単位」かの選択
- ご質問の「少量ずつでも各国少しずつ」という発想は、選択肢として十分に合理的です。特に、国単位で一列に並べると、後回しの国の当局から「なぜ我が国の患者は待たされるのか」という問いに答えにくくなります。
- ただし、これは法的な要求ではありません。現地法令、当局との合意、サービス技術者の配置、部品の輸出入手続、医療機関側の受け入れ可能日程によって、国単位・施設単位での実施が現実的かつ適切な場合もあります。
- 実務上は「国横断で高リスク個体を優先」を基本案として提示し、各国当局と協議して合意した計画に従うのが最も安全です。
- 暫定措置の有効性モニタリング:対策完了までのインシデント発生状況をトレンド監視(EU MDR第88条のトレンド報告にも留意)。暫定措置で抑えきれないと判明した場合に、使用中止・機器引き揚げへ即エスカレーションできるトリガー基準を事前に定義します。
- 進捗報告:長期案件では各国当局への中間報告を自発的に行うと、後の指摘を減らせます(法的義務ではありませんが、実務上有効です)。
- 有効性確認(Effectiveness Check):FSNの送付数ではなく、到達と行動の確認で測ります。受領確認率、未回答施設への再連絡、対策実施率、未対応個体の追跡、サービス業者在庫・中古流通先・貸出機・展示機・輸出転売品への通知。
フェーズ3:CAPAとクローズ
- 根本原因分析とCAPA。設計起因であれば設計管理プロセスの見直しへ。関連する品質システム要求は次のとおりです。
- 米国:21 CFR Part 820(QMSRとして2026年2月2日に施行。ISO 13485:2016を引用し、従来のQSRを置き換えています)
- 回収終了報告・記録保管、リスクマネジメントファイルおよび技術文書(EU MDRのTechnical Documentation)の更新、PMSレポート/PSURへの反映。
5. 見落としやすい「真のボトルネック」:変更の規制手続
部品交換が設計変更に当たる場合、各国で次の手続が必要になり得ます。
| 地域 | 想定される手続 |
|---|---|
| 日本 | 一部変更承認申請または軽微変更届(承認事項該当性の判断)、QMS適合性調査の要否 |
| 米国 | 新規510(k)の要否判断(FDAガイダンス「Deciding When to Submit a 510(k) for a Change to an Existing Device」)、PMA製品ならPMA Supplement |
| EU | MDRの「significant change」該当性判断、Notified Bodyへの変更申請・技術文書更新 |
| 中国 | 登記事項・技術要求の変更登記(許可事項変更/届出事項変更) |
| その他 | 国別の変更届・再登録、現地試験の要否 |
実務上の推奨:恒久対策の設計案が固まった段階で、全対象国の変更手続とリードタイムを一覧化し、「規制手続が完了した国から順に実施する」という客観的で説明可能な順序を作ります。これなら「自国優先」ではなく「法令遵守の結果」として説明できます。
※ ただし、規制手続の完了を待つ間、安全上の措置を止めてよいわけではありません。重大なリスクがある場合は、使用中止・隔離・代替機提供・追加点検などの暫定措置を先行させ、変更申請と並行して進めます。
6. 部品不足時に検討すべき代替策
部品交換だけが選択肢ではありません。安全性が確認でき、当局と合意できる範囲で、次を比較評価してください。
- 使用条件の制限(適用患者・用途・設定値の限定)
- ソフトウェア/ファームウェア更新、設定変更によるリスク低減
- 追加点検・選別検査(スクリーニング)による不良個体の抽出
- 代替機の貸与・完成品交換(新規出荷用の在庫を既設品の救済に充てる判断を含む)
- 既存部品の優先配分ルールの明文化
- 対象機器の一時引き揚げ(使用中止が許容される用途の場合)
※ 暫定策は恒久対策の代替になるとは限りません。リスク評価の裏付けと、必要に応じた当局の了解が前提です。
7. 原則として避けるべきパターン
- ❌ 部品が揃うまでFSNを出さない/報告を遅らせる
- ※ ただし、FSCA該当性がまだ確定していない段階で未検証情報を全市場に一斉通知するのも適切ではありません。正しくは「初期評価で安全上の緊急対応が必要と判断された場合は、恒久対策の準備状況にかかわらず、暫定措置と情報提供を優先する」です。
- ❌ 1か国だけFSNを出し、他国は「後で」とする(当局間で情報が共有され得るうえ、各国の報告義務は独立して発生します)
- ❌ 国別に実質内容の異なるFSNを出す(翻訳・現地法の要求による差は可。ハザードや推奨措置が実質的に違うと、情報開示の不整合として重大な指摘を受けます)
- ❌ 優先順位の根拠を文書化しない(査察で「恣意的」と判断されます)
- ❌ 同じリスクを持つ製品の新規出荷を続けながら既設品の是正だけ行う
- ※ ただし、設計変更済みの製品、問題構成を含まない製品、有効なリスク管理措置を施した製品まで一律に出荷禁止となるわけではありません。影響範囲とリスク管理措置に基づき出荷可否を判定してください。
8. 今のうちに整備しておくべき事前準備(ご質問の本旨への回答)
「いざ起きてからでは大変」というご認識はまさに正しく、グローバル企業の差はここに出ます。
- グローバルFSCA/リコール手順書(SOP):FSCA該当性の判定基準、決定権限、タイムライン、エスカレーション、Global Recall Committeeの構成。
- 国別報告要件マトリクス:以下を最低限管理します。
- 報告・通知のトリガー/起算点/法定報告主体/提出先・窓口/FSNの当局事前確認の要否/報告様式・言語/不具合報告との関係/回収分類/進捗・終了報告/公表制度/現地代理人・輸入者の役割
- 年1回のレビューと、改正時の随時更新
- 段階的実施計画(phased correction plan)のテンプレート:優先順位基準表、暫定措置カタログ、FSN雛形(主要言語版)、進捗報告フォーマット。
- トレーサビリティ:UDI、シリアル単位の設置先・使用条件・サービス履歴。これが無いと「リスクの高い個体から直す」が実行できません。中古品・貸出機・展示機・国外転売品の追跡も含めます。
- サプライチェーンBCP:クリティカル部品のセカンドソース認定、安全在庫、優先供給条項。部品調達リスクはQMS上のリスク管理対象です。
- 代理店・現地代理人契約の整備:規制報告への協力義務と期限、情報提供義務、是正措置への協力、監査権。
- 秘密保持条項には、当局報告・医療機関への通知・患者安全上必要な情報共有を妨げない旨の例外を必ず入れてください。
- シリアル番号・施設情報・患者情報の取扱いは、各国の個人情報保護法との整合も確認します。一方、秘密保持や個人情報保護を理由に安全通知を遅らせてはなりません。
- 模擬回収訓練(Mock Recall):今回のような多国同時シナリオで実施し、所要時間と穴を実測する。法的義務ではありませんが、費用対効果の高い準備です。
9. 参照した主な文書(リンクのないものは文書名で記載)
| 文書 | 備考 |
|---|---|
| 医薬品医療機器等法(第68条の9、第68条の11 ほか)、同法施行規則、医療機器GVP省令、回収に関する厚生労働省通知 | e-Gov法令検索(薬機法)。回収の分類・様式は最新通知で確認が必要です |
| 21 CFR Part 806 / Part 7 / Part 803 | 米国。3つを別個に判定 |
| 21 CFR Part 820(QMSR) | 2026年2月2日施行 |
| Regulation (EU) 2017/745(MDR)第87条・第88条・第89条 | ビジランス・FSCA・FSN |
| MDCG 2023-3(Vigilance terms and concepts に関するガイダンス、最新改訂版を参照) | 公式ページのURLに確信が持てないため、文書名のみ記載します |
| GHTF/SG2/N57R8:2006「Guidance on the exchange of vigilance information」 | FSCA/FSNの定義・FSN記載事項の基礎。当社のリンク掲載方針(政府・公的規制当局ドメインに限る)により、URLは掲載していません |
| IMDRF NCAR(National Competent Authority Report)関連文書 | 同上 |
| ISO 14971:2019、ISO/TR 24971:2020、ISO 13485:2016 | リスクマネジメントおよびQMS |
| Therapeutic Goods Act 1989 / URPTG(豪)、Medical Devices Regulations SOR/98-282(加)、医療器械監督管理条例・医療器械召回管理办法(中)、医療機器法(韓)、醫療器材管理法(台)ほか | 本文中の表に記載した各国法令。URLに確信が持てないものはリンクを付けていません |
※ リンクを付けていない文書は、当社としてURLの正確性を確認できていないか、当社のリンク掲載方針の対象ドメインでないためです。URLの推測掲載は行いません。
10. 補足とお断り
- 本回答は一般的な規制要件と実務の考え方の整理であり、個別案件についての法的助言ではありません。実際のFSCA実施にあたっては、各国の最新法令原文、所轄当局・Notified Body・現地RAへの確認を必ず行ってください。
- 各国の報告期限のうち、当社として確証が十分でないもの(中国のリコール等級別期限、豪州・シンガポール等の具体日数など)は日数を断定せずに記載しています。
- 「全世界ほぼ同時の通知」「国横断での個体単位の優先対応」は、当社が実務上推奨する考え方であって、すべての国で法的に義務づけられたものではありません。最終的には各国当局と合意したリスク低減計画が基準になります。
株式会社イーコンプライアンス




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